グーグル・アースは楽しい。日本版ではまだまだサービスが完全に満喫できる状態ではないが、ある種、衛視絵写真と言えば無機質だが、物理的な制限を飛び越えて世界を、あるいは宇宙を旅するツールと思えば、なかなかにロマンティックである。 しかしながら、一方で、その使い方については、様々な疑問符が飛び出しているのも事実である。たったわずかな時間で、地球上の、それも犯意や悪意の対象になりやすい場所については、優先的に詳細な情報が、あたかも戦国時代の布陣図のごとく、表示されるからである。アノ衝撃的な事件以来、テロリズムという、一つの“憎悪の沸点”を警戒すれば、その懸念も理解に難くない。 しかし、である。もともと、テクノロジーは、人類の夢と身体の物理的不可能性を補うためにこそ進歩が志向されて来たのであり(残念ながら、多くは悪用されることが多いとしても)、要は、技術や道具、手法などと言うものは、それがどのように使われようと作り手の与り知らぬことで、結局使い手がどう使うかによって、その善し悪しが決まるもではなかったか。 グーグル・アース本は数々出ているが、牧歌的な意味において、純粋にこの道具を、善い意味で楽しむなら、この一冊は実に良いさじ加減となっている。