2008年2月12日火曜日

三井 住友 銀行

UFJ三菱東京統合

小林慶一郎氏が言うように「2004年は、不良債権問題が本当に峠を越した画期的な年と後世に記憶されるのかもしれない」。その意味で、UFJと三菱東京の統合は、ダイエー再建と並ぶ象徴的な出来事に違いない。この本は、その歴史的な意味を2002年秋の竹中金融行政の始まりから解き明かしているが、欲を言えば、新3メガ時代の分析などに費やした第三章、第四章は、失われた10年の検証にあててもらいたかった。それでも数冊出始めたUFJ物の中では秀逸で、金融史を語るのに必須の本となりそうだ。

検査忌避を端緒として金融庁、外国人投資家、市場からの批判を受けるUFJ銀行。当初はUFJ信託を住友信託への売却することで完結するはずだったシナリオが崩れさらなる自己資本の充実を求められた。UFJ銀行は公的資金を完済した東京三菱の誘いを受け、住友信託への信託売却を反故にしてでも銀行組織、職員の生活を守ろうとした。そこで参戦するのが三井住友銀行。万年3位となりかねない三井住友は別グループの住友信託、中央三井信託との大連合を睨みながらUFJ銀行との合併を図ろうとする。広く知られていないリーク資料を交えつつ、報道資料によるUFJ銀行の動き、金融当局の動きをフォローアップするこの本は、誰が読んでも面白いです。

「へえ、こんなことが起きていたんだ」。三菱UFJグループ誕生までのドラマが読める。不良債権問題に翻弄されたUFJの経営陣や、虎視眈々と再編の機をうかがっていた東京三菱銀行の三木会長、UFJ奪還に執念を燃やす三井住友銀行の西川頭取の姿が再現ドラマのように迫ってくる。迫真のノンフィクションは小説よりもおもしろい。

UFJが自主経営困難に追い込まれ、三菱東京との経営統合に踏み切るまでのドラマが迫真のファクトで描かれている。一方で、意外なことではあったが、この経営統合が成立した理由が、単なるUFJ救済ではなく、三菱東京側にも規模の拡大への渇望があったことがわかった。

 この本を読むにあたって、まず前提条件として頭に入れておかないといけないのは、UFJをめぐるメガバンクの再編劇はまだ終わっていないということです。今後の統合比率の発表、株主総会、そして統合した後の組織改変とその実際の運用など、この再編の真価を図る要素はまだまだ沢山あり、むしろこの本に書かれているのはその序章だと言えます。  この本を通じて知ることが出来るのは、UFJとMTFGが統合に至る過程、またそれを阻止しようとするSMFGの駆け引き。そしてその前提として、UFJがなぜ自主再建を断念せざるを得なかったのかという2点です。  全体として、新聞報道にあったレベルの記載にとどまったのが、残念でした。 もう少し、統合交渉やSMFGの提案内容などを深く掘り下げて検証しても良かったのではないかなと思います。特にMTFGが資本増強の見返りとしてUFJに飲ませた擬似ポイズンピルやそもそもの統合交渉が住友信託との独占交渉権に反した点などについて、合法的なのか等、詳細な検証があっても良かったのではないかと思います。 3章以降で、今後の日本の金融業界についての予測が書かれていますが、これはいままで議論が尽くされた範疇を超えないものだったので、このような記事に紙面を割くのであれば、もう少し他の内容を書いて欲しかったなと思います。 この不満は、あくまでもこの本が、再編劇の途中で書かれたものであるから仕方ないのですが、、、 ある程度事態が進行したところで、再びこの再編劇を振返る書物を出して欲しいなと思います。

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